映画「アバター:ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」に見る共生と共滅

世界で大ヒット中の「アバター:ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」
(ジェームズ・キャメロン監督)では、
前作「アバター」の約10年後が描かれます。元海兵隊員のジェイクはパンドラで家族を築き、
先住民族ナヴィの女性ネイティリや子どもたちと一緒に暮らしています。

彼らは、人間たちによる資源開発のせいで住んでいた森を追われ、
海辺に住む「海の部族」の元へと向かうことになります。
しかし、そこにも人間の侵略は迫っていました。

ドラマには、子ども、家族、別の部族という新たな要素が加わります。
舞台は森から海へと大きく変化。
まだ見たことのないパンドラの海の魅力的な光景がスクリーンに広がります。

テーマ

アバター:ザ・ウェイ・オブ・ウォーターは問いかけます。人類はなぜ共栄のためでなく、
滅亡のために科学を使うのか。なぜ世界を対立軸でしか捉えられないのか。

初代「アバター」では、異文化との交流や侵略といったテーマが寓話的に盛り込まれていました。

続編となる今作は、前作よりさらに広い視野を持つ家族のドラマとなっています。
物語は主人公ジェイク・サリーと妻ネイティリの視点だけではなく、
彼らの子どもたちの視点からも紡がれます。

ジェイクは人間界から、妻ネイティリは惑星パンドラに住む先住民ナヴィの世界から来ました。
その子どもたちはどちらかの世界に属していないと感じています。

先住民ナヴィと地球人類の対比

また、前作と同様に、ナヴィと地球人類の生活様式や信念が対比されています。

ナヴィは自然の調和と流れの中で暮らしています。
人間は自然を征服し、利用し、悪用しようとします。

今作はこの対比を分かりやすく表現しています。燃やされて破壊され、
ロボットに踏み荒らされた美しい世界を描いています。
2つの異なる種族と2つの異なる惑星を用いて、
私たちの住む惑星で私たち自身の心の中で何が起こっているのかを示しています。

同時に、戦争のど真ん中に置かれた人たちの姿も生々しく描かれます。
生きるか死ぬかの状況に置かれる状況は、現在のウクライナでの戦争を想起させます。

水がモチーフ

本作では、すべての生命がいかに相互に関連しているかを示すために、「水」が用いられています。

植物も動物もほとんどが水でできています。私たちが摂取した水は最終的に地球に還ります。
水は、固体、液体、気体という形で、私たちの体内や周囲を循環しています。

人間は、水に浮かぶことで水の浮力を感じることができるようになります。水を感じ、
水とともに流れ、水を信頼することを学びます。

この感覚を持つことで、私たちは自分、他人、そして地球と「共生」していくことができます。
この感覚がないと、対立し、「共滅」してしまうのです。
そのことに、人々は気づきつつあるのだと思います。生活のあらゆる面で共生を受け入れながら、
共生の感覚を回復し育てていきましょう。私たちは、決して小さな存在ではありません。
ひとりひとりが共生のためにできることをしていくことで、持続可能な地球を実現できるのです。

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