冷えないための東洋的食事の知恵
冷えの原因の一つとして、血管を収縮・拡張して体温を調節している自律神経が乱れ、血液の循環が悪くなり冷えを感じる、という流れが一般的に考えられています。
一方、東洋医学では体内の「水」と「血」を動かしている「気」が不足すると、血の流れが悪くなり、血に余分な熱を持つようになり、水が停滞して、冷えやむくみを生じると説かれています。
「冷えは万病のもと」というのは東洋の昔からの考えの一つ。だるい、頭痛、不眠、肩こり、腰痛、下痢、便秘、足のしびれ、むくみ、関節が痛い、といった症状の元凶の一つとして、冷えがとらえられているのです。
東洋医学では「食物の気」の働きを重要視し、食物を「寒」「温」「平」の3つに大別しています。体内に入ったときに冷やす働きをする食べ物を「寒」、温める食べ物を「温」、味の働きを主にするものを「平」としています。そのうえで、冷えを呼び込まない食事のやり方を提案しています。
また、天の気、地の気の恩恵を受けて四季折々に収穫する野菜・根菜を摂取することを説いています。芽吹きの春はタケノコ、ウドなど芽のもの、夏は太陽のエネルギーをいっぱい浴びて葉を茂らせた青野菜などの葉のもの、実りの秋はクリ、カキなどの実のもの、冬は寒くてこもることからサツマイモ、ゴボウ、ダイコンなどの根のものがよいといいます。
これらの四季の天の恵みを上手に活用するという思想は、現代人にとっても大いに参考になるはずです。