白キクラゲと黒キクラゲ

陰陽五行では、五臓六腑や季節などと同様に、色も五行それぞれと結びついています。
当然、薬膳では食物の色も大事な要素として捉えます。色の違いによって、性質が異なり、効能にも違いがあります。
今日はその例として、白キクラゲと黒キクラゲのお話をしましょう。
【白キクラゲ】
五味:甘淡 五性:平 帰経:肺、脾胃、腎
【黒キクラゲ】
五味:甘 五性:平 帰経:肝、脾大腸、肺
色が違うだけで同じ食材では?と思われるかもしれませんが、上記のように帰経が異なります。
白キクラゲは、潤いを与える食材として知られ、水分調節を司る肺に大きく作用します。
そのため、美肌にも良い食材として知られています。中国などでは、白キクラゲをデザートにして食べることもあります。また、肺の機能を高めることで、体に必要な水分を調節してくれるので、息が切れる、疲れやすいという方にもオススメです。もどしやすいので、おかゆやスープに入れるのもいいですね!
黒キクラゲは、肝にも帰経しますので、より血の働きに関係してきます。出血や、血虚による疲労などにも作用すると言われています。また、脾にも働きますので、整腸作用も見逃せません。キクラゲのひだひだが、朝のお掃除をしてくれる、とも言われているそうですよ!反面、腸の動きを活発にしてくれますので、普段から軟便傾向の方は、とりすぎに注意してくださいね。白キクラゲと同様、肺を潤しますので、乾燥しやすいこれからの季節にはオススメです。炒めものや、スープなど、用途も広く、使いやすい食材です。
このように、見た目が同じような食材でも、それぞれ違う性質を持っています。
漢方の食材の見方は面白いですね!効能を考慮しながら、使いこなしてみてください。