冬は陰が極まる季節
身体の芯まで冷えるような冬。
漢方では、最も「陰」が強まる季節と言われています。
陰は、冬至で最高潮に達し、その後、ゆっくりと「陽」の部分を増やしながら、春へ向かっていきます。
それは人間の身体に当てはめて考えることもできます。冬は、無理に汗をかいたり、積極的に体力を消耗するのではなく、じっと控えめに過ごして、春へのエネルギーを貯めておく時期なのです。まるで冬眠中の熊みたい…そうですね、その通りです!
冬の間貯めたエネルギーは、春の陽気が高まる頃にたくさん使います。季節の変わり目に健康でいられるためには、備えあれば憂いなし!ということなのかもしれませんね。
では、身体の中にエネルギーを貯めるってどんなことでしょうか?
それは、「~し過ぎない」こと。
飲み過ぎない、食べ過ぎない、冷やし過ぎない、消耗し過ぎない…
程よいエネルギー消費は大事ですが、無理は禁物。とは言え、忘年会や年末年始、暴飲暴食は避けられませんね。けれども、次の日、そっと身体に優しいお粥を食べてみると、ほっと身体が落ち着くこともあります。そうやってうまくバランスを取っていくことが、漢方では一番必要なことだと言われています。
薬膳では、冬は滋養強壮、つまり身体を養い、強くする、エネルギーの源を蓄える季節として位置づけています。補気補血の羊肉や、しいたけなどを食べると、エネルギーが湧いてくるかもしれませんね。
また、寒い寒いという裏側には、ミネラルの不足も原因と考えられています。レンコン、人参、百合根、山芋など、自然のミネラルがたっぷり含まれた根菜を積極的に摂るのもいいでしょう。
ここで取り上げたのは、どれも気軽に手に入る素材。食事の際に、ちょっと思い出して、薬膳生活を始めてはいかがでしょうか?