腸内細菌が人体に与える影響~メンタル不調も脳疲労も腸が原因だった!

人間にとって、腸内細菌は、酸素や水のように健康にとって欠かせない重要なものです。腸内フローラは、脳とどんな関係があるのでしょうか?実は、想像以上に深い関係があります。

メンタルがスランプ状態に陥っている若者が、体の中に溜まっていた便を完全に出し切ると同時に、すがすがしい表情へと変わってしまう――。そのような例は多いです。

例えば、メンタルの悩みで休学していた学生が、腸の状態が良くなった後に心身ともに元気になり、学校生活を楽しんでいるというケースもあります。

誰の顔を見るのもいやで一日中部屋の中に閉じ込もっていた人が、快便生活に切り替わったころから、積極的で明るい性格に変わってしまった、とうい話もあります。

元気がなかった青年が、便秘解消後、トップセールスマンとして働いている例もあります。

若い人のなかで、メンタルの悩みを抱えている人は多いです。特に受験生や社会人1年生に多いとも言われます。

普通の人から見れば「神経が過敏になりすぎている」と思われるのかもしれません。「受験戦争に疲れているのだろう」「親の望みが高すぎて、プレッシャーを感じているのだろう」などと解釈しがちです。

新社会人については、「慣れない社会に飛び出して、わからないことばかりで苦しいのだろう」と片付けてしまいます。

しかし、もっと「体」の面にも注目できないものでしょうか。便秘は新陳代謝を悪くします。その結果、内臓は弱り、血の循環は悪くなり、血液も汚れてしまいます。脳に入る酸素の量も少なくなってしまいます。すると、脳の活動が低下します。

腸の細菌が脳をサポートする

腸内に住んで消化を助ける細菌は、脳にとって不可欠のパートナーです。人間の腸内には1万種類以上の細菌が住んでいると言われています。腸内細菌はイースト菌、ウイルス、原生動物、真核生物などとともに、健康に重要な役割を担っています。消化管の中に実在する生態系が、実は体全体のシステムの多くをコントロールしているといっても、過言ではありません。

腸内フローラは、心臓や肺、肝臓、脳と同様に、独立した一器官に相当する働きをしています。腸内フローラの中の善玉菌たちは、免疫系の反応にいい影響を与えます。腸は体内で最大の免疫系器官です。また、腸内細菌は特定の免疫細胞をコントロールして、体が自分の組織を攻撃する自己免疫を防ぐことで、免疫系統を助けます。

さらに、内分泌腺(ホルモン)のシステムに働きかけ、ストレスを取りのぞく力をつけてくれます。良質の眠りをうながす、という役目もあります。

そして、悪性の細菌(有害菌)、有害ウイルスや有害寄生虫などの侵入者に対して、自然のバリアを構築します。つまり、腸内の細菌は感染症の防止と、腸内に侵入する多くの毒素に対する防衛線の役割を担うのです。また、腸内細菌は食物とともに体内に入ってくる多くの毒素を中和します。

このほか、体内ではたらく重要な酵素や物質、ビタミンや神経伝達物質を含む「脳に必要な物質」を生成して放出してくれます。

昔から「健康な体があってこそ、健康な心が生まれてくる」と言われます。毒素をたっぷりと含んだ体よりも、毒素の少ない体。新陳代謝の悪い体よりも、代謝の活発な体。そんな肉体状態のほうが、ポジティブなメンタルを保ちやすい、というのです。そんな体と心の関係性のカギを握るのが、腸と腸内細菌だといえるでしょう。

腸内フローラと心身の健康

腸管に細菌が侵入すると腸の免疫系が働きますが、このとき腸内フローラのバランスが崩れていると、炎症を起こす物質が炎症を抑える物質よりも多く分泌されてしまい、腸粘膜に炎症を起こすと考えられています。腸内フローラのバランスを是正することは、心身の健康に直結するのです。

生体にとって有益な作用をする生菌(生きた菌)で、摂取することによって腸内フローラを改善する作用のある微生物をプロバイオティクスといいます。腸内フローラは年齢とともに変化します。プロバイオティクスの一種であるビフィズス菌などは年齢とともに数が少なくなります。プロバイオティクスを意識的にとることで腸内環境を改善し、若返らせることで健康を維持しやすくなります。

ビフィズス菌は、オリゴ糖や乳糖も利用して乳酸と酢酸を作ります。乳酸と酢酸が腸壁を刺激し、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、便秘を解消します。便秘は、薬を使わないで、むしろ食物、あるいはオリゴ糖などをうまく利用することによって解消できる場合も多いといいます。オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになります。

体の不調と脳の疲労

体の不調は、慢性的なストレスが原因となっていることが多いです。ストレスに対処するケアが大事です。ストレスは、内臓の機能を調節する自律神経系や、ホルモンの放出に関係する内分泌系、感染症を防ぐ免疫系など、体の各機能に悪影響を及ぼします。その結果、体に病気となって現れます。とりわけメンタルと直結している病気としては、過敏性腸症候群が有名です。

腸が疲労するように、脳も疲労します。便秘などの腸のトラブルは、外界からの情報過多による脳疲労が原因となっている場合が多いです。現代人の脳には外から洪水のように情報が入ってきます。その処理で手一杯の状態になり、「休みたい」「眠りたい」というサインが見逃されやすくなっています。

さらに、脳が情報過多やストレス状態になると、「トイレに行きたい」という本来の欲求も、おのずと抑え込まれてしまう傾向があります。これが慢性的な便秘につながります。

こんなときは、善玉菌を増やす料理を心掛けましょう。便の固形分の2分の1~3分の1は腸内細菌のため、この菌が増えないと便の量も増えず便秘になりやすくなります。ヨーグルトなどの乳酸菌や、オリゴ糖の多い食品、バナナ、ゴボウなどを積極的に食べましょう。

また、運動も腸によい影響を与えます。腰やお腹をねじるような体操やストレッチ、ダンスなどは、腸に刺激を与えて蠕動運動を活発にします。腹筋運動をすると排便力がアップします。

腸がキレイになれば、脳の疲労回復につながります。

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