怒りが抑えられないとき、あなたはどうする?感情をコントロールする方法

怒りのあまり我を忘れてどなり散らしたことはないでしょうか。それを家でやればDV(家庭内暴力)になり、職場でやればパワハラになります。いずれせよ、相手を傷つけ、信頼関係を損ねてしまいます。そんな怒りをコントロールして、建設的なエネルギーに変えましょう。

怒りの正体

「怒り」というのは、フラストレーション(欲求不満)の結果や自分にとって大切なことを妨害されたときの感情です。また自分の中の恐れや弱さを押し隠そうという心の防御反応でもあります。

そうした怒りをコントロールするには、まず頭に血が上ったときに次の方法を試してみましょう。

怒りをコントロールする方法

(1)10秒くらい深呼吸する

怒りは6秒くらいでピークを越えると言われます。10秒くらい深呼吸をしていれば、心を鎮めることができます。呼吸し続けることで筋肉の緊張を緩和し、加えられた力を分散させることができます。

(2)イライラの原因を書き出す

日頃から怒りやイライラを募らせている人は、イライラの原因を書き出してみましょう。漠然としたイライラを書くことで理解し、冷静になり、対処法を用意できます。

(3)イライラに優先順位をつける

書き出したイライラに優先順位をつけてみましょう。優先順位の高いものには立ち向かい、優先順位が低いものは無視しましょう。

「衝動」をコントロールする

さらに、怒りをコントロールするには、衝動、思考、行動の3つをコントロールするのが有効です。

「衝動」のコントロールの方法として有名なのは「6秒ルール」です。イラッとしたら反射的にアクションせず、6秒待ってみるのです。

感情レベルの客観視のため怒りの温度計を想像したり、「大したことないよ」「気にしないで」など、人をなだめる時の言葉を胸の内で自分にかけるのもいいでしょう。冷静になるために「何があった?」などと優しく声をかける「魔法の呪文」も有名です。

「思考」をコントロールする

「思考」のコントロールでは、ある出来事に対し「許せる」「許せない」の2択ではなく「まあ許せる」という及第点ゾーンがある「三重丸の概念」を持ちます。自分の100点や及第点、「〇〇であるべき」が正しいかどうか、常に考えるよう習慣づけます。

「行動」をコントロールする

「行動」のコントロールでは、怒りを感じた事柄を分析します。文字や図にするなど、思いが見える形にするとより分かりやすいです。もし怒ることで事柄の全体をコントロールできるなら、それも選択肢のひとつになります。考えてみると大して重要ではない、と判断したら放っておきます。重要でも自身の力ではコントロールできないなら、現実を受け入れ、自分にできる選択肢を探します。このとき大切なのが「諦めた」「我慢した」ではなく、自身の選択で受け入れたという認識を持つことです。

ストレス発散の場がなくなった現代

モヤモヤした怒りの感情を可視化、言語化して整理し、向き合って得た答えは自分が納得できる論理性があります。同様の状況に接したときに応用できる再現性もあるといいます。

近年は、子どもだけでなく企業社会でも「キレる」ことで起こるトラブルが増えています。企業が成果主義を導入し、リストラによる仕事の負担増も重なって、職場に大きなプレッシャーがかかっています。かつての職場には、上司が部下の面倒を見て、同僚同士でも飲みに行くなど、ストレスの解消・発散のための柔構造がありました。しかし、ネットの普及や人員削減の影響で「オフィスでの会話が消えた」とさえ言われ、緩衝材がないのが実態です。

メンタルヘルスの観点からも、感情コントロールを学ぶ機会を社会全体で増やしていきたいものです。

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