運動がもたらすメリット 運動不足を解消して体も心も健康に
運動不足になるとストレスを感じやすくなります。運動は体を動かすものですが、心(メンタル)にも多大な影響を与えます。適度な運動で「QOL」(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)を高めましょう。
コロナで運動不足
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、外出する機会が減り、国民全体が運動不足になりやすくなっています。仕事の面で不安を抱えている人も多いでしょう。心と体の健康をどう維持していくのか、切実な問題です。こんなときこそ、疲れやストレスでカチコチに固まった心と体を運動でほぐしましょう。運動に励むことで、ストレスにも強くなっていきます。
運動するとメンタルが良好に!
米イエール大学や英オックスフォード大学などの共同調査研究(2018年8月発表)によると、運動はメンタルに良い影響をもたらします。運動をしている人は、していない人に比べ、「気分が優れない」(poor mental health)と感じる日数が、1か月あたり約1.5日少ない――との結果が出ました。
うつ病と診断されたことがある人に限ると、気分が優れないと感じる日数は、運動をしている人のほうが月あたり3.75日少なくなりました。また、運動の量や頻度も大事だとわかりました。最もメンタルにプラス効果が見られたのは、45分間の運動を週3~5回行っている人たちでした。
脳のセロトニン
運動は「脳」に直接働きかけます。脳内ホルモンのバランスが改善するからです。適度な運動をすると、セロトニンやドーパミンの生成が活発になることが様々な研究で分かっています。
セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれるくらい、人間の精神面に大きな影響を与えます。セロトニンの量が増えると、心が落ち着いて爽やかな気分になり、集中力が高まります。セロトニンが不足すると、イライラしたり怒りっぽくなったりします。一方、ドーパミンは、やる気を出したり、気分を高めたりする働きをもつと言われています。
ウォーキングやジョギングのように、呼吸をしながらリズミカルな動作を繰り返す運動をすれば、セロトニンなどをより効率よく活性化できるとの研究結果も出されています。
有酸素運動やリズム運動
メンタルに最も良いとされるのが、有酸素運動です。軽いジョギング、水泳、サイクリングなどです。数十分くらい気持ちよく続けられる有酸素運動を、週に3~5回行う習慣を身につけましょう。
一定のリズムで体を動かすリズム運動も効果的です。リズム運動とは、ダンス体操やエアロビクスなどの一定のリズムを重視した運動を指します。
また、インターバル運動も心身の健康に良い影響をもたらすとされます。強い運動と緩い動き(または休息)を交互に繰り返す運動法です。通常のペース歩行と速歩を数分ごとに行う「インターバル速歩」も有名です。
血行改善で免疫力アップ
コロナの外出自粛や在宅勤務の普及によって、じっとしている時間が増える傾向があります。あまり動かない状態が続くと筋肉が固まってしまい、血行が悪くなります。また、運動には筋肉を動かして血行をスムーズにする効果もあります。習慣的な運動をして体をリフレッシュさせましょう。免疫力のアップにつながります。