食べ方を変えるだけで免疫力がアップする!?唾液のチカラで健康に

唾液と免疫には深い関係があります。唾液に含まれる免疫グロブリンA (IgA)という抗体には、抗菌作用があります。食事などを通して外から入ってくる細菌を初期段階で撃退してくれます。そして、体の免疫力を高めてくれます。

また、唾液に含まれているラクトペルオキシダーゼなどの酵素には、食品添加物や活性酸素などの発がん物質の毒性を抑える働きがあると言われています。つまり、唾液を増やせば、免疫力が上がるということです。

唾液の出る量は、食事の際の噛む回数にほぼ比例するといいます。現代人は噛む回数が減っています。弥生時代に人間は1食あたり約4000回かんでいたそうですが、現代人は約600回まで減ってしまっているそうです。

「軟食」と呼ばれるように、噛みごたえのある食べ物の摂取が減ったことと関連があるとみられています。口の周りの筋力が十分に発達しなかったり、衰えたりするため、唾液の分泌が抑えられてしまいます。

噛む回数を増やすには、かたい食材を使うのが効果的です。切り干し大根などの乾物系、ごぼうやにんじんといった根菜など食物繊維が豊富で、よくかまないと飲み込めないものがおすすめです。なかでも、玄米はかめばかむほど唾液が分泌されて甘みが出るので、唾液力を非常に引き出してくれます。

水分量の少ないメニューを選ぶこともポイントになります。水分が少ない分、噛む回数が増えます。煮物やあんかけ、スープは水分量が多く、かまずに飲み込みやすいメニューです。

一口ずつゆっくり食べることも大切です。ごはんもおかずも、一度に口の中にたくさん詰め込んでしまうと、口の中で舌や頬の筋肉などを十分に使ってかむゆとりがなくなります。すると、すぐに飲み込む「早食い」につながります。一口ずつゆっくりと口に入れ、意識的にゆっくりとかむように心がけましょう。

また、水やお茶を食事の間にとりすぎると、あまりかまない癖がついてしまいます。食べ物を十分にかまずに、水分で流し込んでしまうのです。

料理の際に材料を大きめに切ることも、かむ習慣につながります。かむことは材料をできるだけ小さくすりつぶす作業なので、大きめに切っておけば、その分、自然にかむ回数が増えるはずです。カット方法は、せん切りよりも乱切りなどがよいでしょう。

食事以外でも、唾液の量を増やす方法があります。部屋の湿度を適度に保つことです。乾燥した部屋では口や鼻の粘膜が乾き、ドライマウスの原因となります。

唾液の分泌は、自律神経がつかさどっています。人前で緊張したときにのどが渇くように、ストレスで常に緊張状態を強いられていると、自律神経のバランスが崩れ、ドライマウスの症状が現れやすいです。リラックスすることが大事です。

ドライマウスは、口臭の原因にもなります。唾液は口の中を絶えず浄化しており、少ないと雑菌が増えてにおいが増します。

口は栄養を摂取するだけでなく、会話や食事を楽しむなど、日常の生活意欲にも関わります。かむと脳が刺激されて認知症予防になるとされます。介護予防の第一歩です。

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