あなたの老化度をチェックしてみよう!健康長寿をのばす生活習慣
健康寿命を延ばす基本は、食事や運動などの生活習慣に気をつけることです。
日本は世界で最も高齢化が進んでいます。医療や介護などにかかる社会保障費は年々増加しています。団塊の世代(1947~1949年生まれ)が全員75歳以上になる2025年以降は、現役世代で支えられなくなる恐れがあります。
この難局にどう対応するかが大きな課題です。大切なことは、一人ひとりが健康に気を配り、なるべく病気や要介護にならないようにすることです。自立して暮らせる「健康寿命」を延ばすのです。
介護が必要な状態になるまでの道のり
介護が必要な状態になるまでの道のりには、大きく2つの種類があると言われます。一つは生活習慣病です。典型的なのは脳卒中です。ある日突然、自立した生活を送れなくなります。もう一つはロコモです。ロコモとは、筋力が低下したり、関節が痛んだりして、日常生活が制限される状態です。似たような言葉に「フレイル」があります。フレイルはロコモよりも広い概念です。身体的なことだけでなく、認知機能の低下なども含まれます。
生活習慣病やロコモを予防するために
生活習慣病やロコモを予防するには、ウォーキングなどの運動と、バランスのとれた適切なカロリーの食事が大切です。
(1)野菜をしっかり摂るなどバランスの良い食生活
(2)運動する
(3)閉じこもらずに社会参加する
といったことがカギを握ります。これらの対策で共通しているのは、自らの努力と行動によって、予防し、健康状態を改善できるという点です。
運動
このうち、運動について、早起きしてトレーニングする習慣がなかなか身につかず、いつも三日坊主で終わってしまう、という人は多いでしょう。それならば、まずは通勤途中や仕事の合間にできるトレーニングから始めるのがいいでしょう。
手軽なトレーニングの代表格は、おなかをへこませてウエストをシェイプする「ドローイン」です。内臓は重力によって下がる傾向にあります。ドローインでおしりの穴を締めておなかをへこませると、筋肉が下がった内臓を押し上げようとします。これによって内臓は再度位置が調整され、本来あるべきポジションに収まります。
ドローインのやり方
背すじをまっすぐに伸ばし、おへそを背中にくっつけるイメージでおなかをへこませます。たったこれだけです。これなら電車の中、デスクワークの合間、信号待ち、入浴時間、いつでもどこでも気がついたときにできますよね。特に歩いている最中や階段を上っているときのドローインは、ただ立っているときよりも高い効果が期待できるといいます。
さらに、お腹をふくらませたりへこませたりを反復すると、腸運動になります。腸運動をすると、腸の健康も高まります。
筋力アップ
筋肉は、立ち座りや歩行速度など、移動能力の維持に直結します。移動が自分でできなくなると、生活が制限され、人生の質が変わってしまいます。リタイア後の20~30年を、どれだけ活動的で生きがいのある人生にできるかは、移動能力を支える筋肉の維持にかかってくるのです。
筋肉のように、やれば効果が見込め、違いが出る部分に力を入れるのは、様々な健康法の中でも賢明な方法の一つです。私たちのエイジングとの向き合い方を変え、日々の活力を左右することにもなります。
日ごろからの体調管理
また、日ごろから健康管理・体調管理を行うことも大切です。簡単なのは体重や腹囲、歩数を毎日測って記録する、という方法です。体の変化を「見える化」することで健康状態を知ることができ、食事の量に気をつけるなど生活を見直すきっかけにもなります。
記録表を使うと長続きする
手帳に書き込むのもいいですが、市販されている記録表を使えばより長続きしやすいようです。一年分の表や健康診断の結果を書き込む表を盛り込んだ手帳です。アプリでもいいでしょう。測定して記録することで、体のリズムを知り、体の発するサインに気づけるようになります。
体調不良のときは記録表に症状をメモするのがいいでしょう。体調不良について、いつから症状があるか覚えていない人も多いです。記録表にメモしておけば、医師などの専門家に正しく伝えることができます。
血圧を測る
血圧計がある場合は自宅でも血圧を測るといいでしょう。血圧は1日の生活の中で大きく変動し、健診で正常でも早朝などに上昇する「仮面高血圧」の人もいます。食事や運動も数値に影響するため、朝食前と就寝前に測定するのがおすすめです。自治体が交付する「健康手帳」に記録表が付いている場合もあります。
自分の老化度をチェックする
ご自分の老化度をチェックすることも大切です。以下の項目にあてはまる数が少ない人は、実年齢より老化が進んでいる可能性があります。
(1)野菜、海藻、小魚をよく食べ、甘い物は控えめ
(2)食事の水分やお酒以外に1日1.5リットル以上の水分を取っている
(3)定期的に運動している
(4)午前0時までに就寝し、6-8時間寝ている
(5)お酒は飲まないか、飲んでも少量
(6)たばこは吸わない
(7)ストレスをあまり感じない。またはストレス解消が上手
(8)生きがいや目的を持って生きている
(9)精神年齢が若いと感じる
(10)いつまでも若く、美しく、元気でいたいと思っている
夢を持つ、交流する
もう一つ大事なのは、人生の夢です。いくつになっても「そこへ向かうんだ」という強い意志を持つことです。また、一人ひとりが自らの健康や社会参加の状況などについて気づき、考え、行動することもキーポイントです。
生きがいのある積極的な生活を送ることは、認知症の予防にも役立つといわれます。若い時から趣味を持つ、幅広い交友関係を持つ、日記をつける、旅行・外出をする--などもプラスになるといいます。
親戚や友人、ご近所など同居者以外の他者との交流が毎日頻繁である人に比べ、月1回~週1回未満の人は1.3~1.4倍ほど要介護認定や認知症になりやすくなるという調査もあります。この交流には手紙や電話、メールなどで連絡を取ることも含まれます。