健康寿命をのばし、メンタル幸福度を高めてくれる腸の秘密
腸は、健康寿命やメンタルの幸福度と深く関わっています。健康で幸せになるためには、腸がどんな状態であればいいのか、詳しく見ていきましょう。
腸と脳は関係している
腸には神経細胞があります。だから、「第二の脳」と言われています。緊張すると、お通じに影響が出るのは、脳と腸が相互に影響しあっているからです。
だから、脳やメンタルの状態をよくするためにも、腸に注目する必要があります。とりわけ、腸内細菌の状態は大事なチェックポイントです。
善玉菌と悪玉菌
腸内には、善玉菌(ビフィズス菌、腸球菌など)と悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌など)の名称で知られる腸内細菌がいます。その数は約100種類、100兆個に及び、腸内細菌のバランスが健康に大きな影響を与えるといいます。
悪玉菌は消化物に作用して硫化水素やアンモニアなど、体に悪影響を及ぼす物質を生み出すと言われます。
一方、善玉菌といえば、代表的なものとして乳酸菌が挙げられます。乳酸菌には、動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の2つがあります。チーズやヨーグルトなどの乳に生育する乳酸菌は動物性乳酸菌です。
日本人に必要な植物性乳酸菌
日本の漬物やみそ、しょうゆ、日本食などの発酵食に生育するのは植物性乳酸菌です。とくに植物性乳酸菌は生命力が強く、胃酸で死ぬことがなく生きたまま腸に届くといわれています。1950年代、60年代ごろまでの日本では漬物などから植物性乳酸菌をよく取っていました。
とりわけ西洋人に比べて腸が長い日本人は、乳酸菌を腸まで届かせるために、植物性乳酸菌を上手に利用することが必要だといわれます。
ヨーグルト製品には植物性乳酸菌を使ったものがあります。キムチやザーサイ、インドネシアの豆発酵食品であるテンペ、ドイツのザワークラフトなどにも豊富だといいます。