私と地球をつなぐ道、呼吸法で脳の潜在力を目覚めさせよう

呼吸法で健康を改善する方法は、昔から様々なものが伝えられています。東洋医学では、「天台小止観」や「黄帝内経」から由来した呼吸法を利用して、臓腑の病を治療したり、予防したりする方法が説かれてきました。

東洋医学で提案されてきた方法論の一つとして、たとえば、臓の気が抜けている人は、そこに意識を集中させると同時に、鼻から吸い込んだ息を吐きながら、聞こえるか聞こえない程度に「吹」の発音をします。毎度そのような呼吸をくり返します。また脾胃に病があれば、そこに意識を集中しながら、吸気と同時に「呼」を発音します。

気功では、呼(吐気)は「瀉(しゃ)」、吸(吸込み)は「補」の作用をすると言われます。そして、呼吸法を利用して気の補瀉(ほしゃ)を調節しながら、病気を治療していきます。

呼吸法の習慣化で自然治癒力もアップ

病気にかかっていない人も、暇あるときにいつでもどこでも呼吸法を練習するのがおすすめです。朝、起きたときに布団の上でもできます。深い呼吸をしながら、地球・宇宙に今日一日の平安を感謝します。

人間には、だれにも偉大なる力と素晴らしい知恵が備わっています。人体生命の奥深いところに潜在しています。その潜在力を発現するのが、正しい呼吸法です。

呼吸法が正しく身につくためには、定期的にトレーニングする必要があります。できれば常に実践する習慣をつけたいところです。正しい呼吸が当たり前になると、おのずと体力、胆力、精力、能力、判断力、行動力がアップします。さらに、自然治癒力が高まります。

意識と無意識の関係

人間には誰にでも俗にいう「火事場の馬鹿力」が備わっていることは周知の事実です。これは、緊急時に発動する、普段は想像もつかない莫大な精神的あるいは肉体的な力のことです。しかし、凡人にはこの力を発動させる方法がわからないので、普段は利用することができません。

意識と無意識の関係は、騎手と馬の関係にたとえられます。すなわち、意識が無意識を操っている、というわけです。酒に酔って、あるいは気が触れて暴力をふるう人は、意識が無意識を制御できない状態に陥っているのです。

あなたは無意識に操られている

人間の行動はその93パーセントが無意識の支配を受けているといわれています。つまり、意識的に同じ行動をくりかえしていると、それは人間の右脳に記憶され、同様の状況に直面したとき無意識に、あるいは自動的に同じ行動をとってしまうということです。

タバコは健康に悪いのを意識しているにもかかわらず、やめられないのも、意識が無意識を支配できないところに原因があります。意識がいくらタバコをやめなさいと命じても、無意識がタバコを吸えと命令するのですからやめられないのです。

人間の無意識は、限りなく深いです。心理学的には「深層意識」と呼ばれます。仏教ではその一番深い所を「無明」と称しています。

無意識は右脳の領域

この無意識をつかさどっているのが人間の右脳です。そして生命体を保存する自律神経系は、この無意識による調節を受けているとされます。その無意識を意識であやつることができれば、無限の潜在能力を必要なときに発揮できるようになります。

逆にいえば、意識が誤って無意識を支配すれば、生命体の活動の秩序が乱れ、結局は病気になってしまうことを意味します。

呼吸で無意識に働きかける

呼吸法は、「意識」と「無意識」をつなぐルートです。そして、肉体と自然(地球)をつなぐ道です。

人が自然の一部として、自然の変化に順応して生活すれば、生命体は大輪の花を咲かせることができます。しかし、欲望に目がくらんで、自然の変化に逆行した生活をつづければ、体が害されます。

呼吸によって意識を目覚めさせ、無意識に働きかける。つまり、知覚神経を通じて自律神経を調節する。それによって健康を保つことができます。たとえ一時的に病気になったとしても、自然治癒力を活用して回復できるようになります。その第一歩が正しい呼吸法なのです。

新しい私に出会う

呼吸法を極めることで、誰にでも潜在している無限の能力を発揮できます。本当の自分を蘇らせるとともに、これまでまったく気づかなかったような「新しい私」に出会うこともできるのです。

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