健康寿命をのばし、メンタル幸福度を高めてくれる腸の秘密
食物繊維が大事な理由
植物性乳酸菌に加えて、食物繊維も腸にとって重要です。
食物繊維は、コレステロール値を下げ、腸内の悪玉菌の繁殖を抑え有害物質を取り除いてくれます。さらに、心も元気にしてくれるといわれています。
厚生省の基準で1日に必要な食物繊維量の目安は20グラム。現代の日本人は足りていない人が多いとされます。
脂分が多い欧米型食事は、体内の小腸で吸収されてしまい、大腸で便のもとが作られないといいます。繊維質が少ないためです。それでかさが小さくなり、快便生活から離れがちになるといいます。
白米だけでは繊維質は少ないので、玄米や、はい芽米など、できるだけ未精製の米が良いと、多くの専門家が指摘しています。
日本人の腸の長さが欧米人に比べ1・5メートル長いのは、野菜や穀物で進化してきたあかしと言われます。それだけに多くの食物繊維をとらないと、トラブルになりやすいのでしょう。
長寿と食物繊維の関係
世界には、長寿で知られる地域がいろいろありますが、いずれも食物繊維の摂取が多いことで知られています。研究結果を見てみても、食物繊維の存在は無視できません。
たとえばインドのカシミール地方の長寿地域とされるフンザでは、小麦、大麦、キビ、豆類を主に食べ、夏には野菜をたっぷりとります。冬は、ジャガイモ、カブ、乾燥した野菜(トマト、ナスなど)、果物、アーモンドなどをとることが多いといいます。
また、南米エクアドルの長寿村ビルカバンバの人たちは、雑穀類を主食としています。ジャガイモやトウモロコシ、豆類を煮込んだものを食べ、ニンジン、カボチャ、ピーマンなどの野菜類もよく食べるそうです。
いずれも食物繊維の摂取量が多いのは一目瞭然です。
長寿の秘密はオリーブオイル?
さらに、長寿でギリシャのクレタ島にも注目したいところです。ここは脂肪摂取量が多いのに心臓に不安を抱える人が少な目だといわれます。クレタ島の食事はパスタなどの穀類を中心に、豆や野菜、果物、新鮮な魚介類を組み合わせた「地中海式」の食事が中心です。それらにはオリーブオイルがふんだんに使われていることが一番の特徴です。